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「問題」を解決する唯一の方法

こんにちは。吉田裕美子です。

3月29日(金)に、島根県の雲南市 政策企画部の板持裕朗さんから、雲南市の教育改革について、お話しをお聞きする機会がありました。

その日、内閣府でのお仕事を終えられ、翌日から雲南市へ戻るとおっしゃっていた板持さんは、穏やかに皆さんと接しながらも、内に強い決意を秘めている感じが伝わって来る方でした。その取り組みがあまりに素晴らしいので、今日はここで共有させていただきたいと思います。

先に結果を書いてしまいますが、雲南市では、この取り組みの結果、学校、家庭、地域、行政が教育に関しての目標を共有し、協力し合って次世代を育成するという、非常に理想的なしくみが出来上がったのだそうです。

こちらにその資料がありますので、是非ご覧頂きたいと思います。

学校・家庭・地域・行政の恊働を進めるシステム作り

こうして、結果だけを書けば、さらりと済んでしまいますが、私にも小学生のこどもがいまして、学校との関わり、地域との関わりなどを通じて、色々なことを体験しています。教育現場を親という立場から見ていて、最初に頭に浮かんだのは「そんな理想的なことが本当に実現するんだろうか?」ということでした。これは本当に偉業です。

私自身は、ビジネスの場で、組織を開発していくお手伝いをしていますが、この雲南市の取り組みをビジネスの場に置き換えてみれば、経営者、営業部、制作部、経理部、総務・・など社内の各部署はもちろんのこと、お客様やパートナー企業、および、同じ業界に属する公的な団体が1つの目標を共有して、お互いの強みを活かしながら、恊働することが出来ているということに近いわけです。

どうでしょう?

ご自身の環境において、そんなことが可能になるなんて、想像ができますか?

キーマンは、「コーディネーター」

私はかつて、ITのシステム開発の仕事に携わっていました。
その時も、本来最終的なゴールは、会社全体から見たらプラスになるはずなのに、部署間の調整は「必ず」難航しました。

1つの会社の中であっても、部署が違えば、それぞれの部署でこれまで築き上げて来た「よい環境」がありますから、それを自ら捨てて、新しいやり方を取り入れるのは相当な勇気と努力が必要になります。多くの場合、人は「変わる」ということに敏感なのです。

部署が違ったとしても、同じ会社なのだから1つの目標を共有して、みんなでその目標を達成すべく、協力し合って行くことが良い・・というのは、客観的に見れば、「そうだ」を思われる方も多いと思います。でも、その当事者になってみると、相手の言っていること、やっていることは、自分の「利」を侵害してくるように見えてしうもの。「変化」を受け入れることは、誰にとってもそう簡単なことでは無いのです。

そのような利害関係が対立する中、雲南市がそれぞれの学校や地域、家庭、行政をすべて巻き込んで、この大きな目標を達成できたのは、「学習支援コーディネーター」という行政から派遣された方々(板持さんもその中のお1人だったそうです)の存在でした。
具体的には、教育委員会職員が各中学校に1名ずつ配置され、その役割を担ったわけなのですが、言い換えると行政の方が公立の中学校に常駐して、コーディネーター役を勤められたわけです。これ自体、ちょっとやそっとのことでは可能になることではないですよね。覚悟がはっきりと感じられます。

でも、行政が行政側にいて、現場を知らなければ、改革は進みません。
教育の現場に実際に身を置いて、日常を共にして、おそらく色々な衝突や葛藤もあったのだと思いますが、それらも全て乗り越えた先に、今回のゴールがあったわけです。

答えはどこにも書いてない

板持さんは、お人柄が伝わって来るユニークな語り口で、苦労の数々を面白おかしく話してくださいましたが、この達成することが恐ろしく難しそうなゴールにたどり着くまで、繰り返し繰り返し、みんなで解決の糸口を探して考え抜いたとおっしゃっていました。

色々な事柄をすべて並べて、繋がりを考え抜く。
そうすると、最後に答えが見えて来る。
逆にそうやってみんなで智恵をしぼって考えて行かないと、答えはどこにも書いていないし、誰も教えてくれない・・。

行政側から選ばれた、通称「7人の侍」は、どの方もその強みが明確で、非常にとんがった方々だったそうです。
その強みを削ること無く、活かし合い、組み合わせていくことで、何度も訪れる大きな課題を乗り越えて行かれたとのこと。

板持さんのお話しの中に、私が普段、組織開発の中で大切にしていることのキーワードがありました。

つながりをみんなで考え抜く。
自分たちの答えを見つける。
お互いの強みを活かす。

この3つが揃うと、「組織」は格段に強くなり、到底不可能に思えるような高い目標も達成することが出来るようになることを、実際証明された板持さんのお話しを聞いて、背中を押された気持ちでした。

リーダーとしての在り方

「7人の侍」がこの目標達成のためにやってきたことは、社会問題はもとより、企業内の様々な問題を解決するために大切なことがぎっしりつまっていて、本当に勉強になるプレゼンでした。

変化を生み出すために最初に7人の侍が向かったのは「現場」でした。
自ら現場を知り、信頼関係を築く努力をされたのだと思います。

そして、「教育」ということを学校の中だけで考えずに、地域、家庭などコミュニティを巻き込んだ全体最適の視点で目標を共有されています。
目標達成を阻む障害を乗り越えるために、全員で問題と向き合い、考え抜き、解決策を導き出し、関係各所とコミュニケーションを繰り返す。

周りを巻き込んで目標を達成していくことは、とても骨の折れる仕事です。
でも、この関係各所を繋ぎ合わせて1つの目標に向かわせて行く、コーディネーター型のリーダーが、今、様々なところで切望されているように感じます。

何かを達成したいと考えた時、その目標が高ければ高いほど、1人の力、あるいは、特定の組織だけでは何もできません。
でも、ちゃんと考えて、真摯に対応し、前に進んで行く姿を見ていてくれている人は必ずいます。コミュニケーションを繰り返すことで、繋がりが強くなって行きます。そこから共感者が生まれ、その数が少しずつ増えていくと、歯車が回り始めて行くのを感じるときがやって来ます。

0からのスタートは、しばらく苦しいし、もうダメかもしれない・・そう私自身も感じることが何度もあります。
でも歩みを止めなければ、必ず変化が生まれて、目標は達成されるんですね。

何かでへこみそうになったら、また、板持さんのお話しを思い出したいと思いました。


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