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2つの社会が生み出す不都合なこと(1)

こんにちは。吉田裕美子です。

前回の記事を書いてから、1週間以上経っちゃいました。orz
全く手をつけていなかったのではなくて、文章が冗長すぎてボツに・・。伝えたい事の中心部をシンプルに書くというのは難しい事ですね。

間が空いたので、ちょっとおさらいです。
Y2研究所のサービスを提供している思い、なぜこのビジネスをしているか・・を先日から書き始めています。

最初の回で、日本には、2つの社会があるように感じる・・と書きました。生活者のいる社会と、ビジネスの場の社会。それぞれが個別に最適化しようとしているように私には見えます。

2回目では、私は、息子が大きくなったときに、「お母さんが働いていてくれてよかった」と言ってくれるような仕事をしたいと思っていることを書きました。そのためには、息子だけの幸せを願うのではなく、息子の周りに居る人が幸せになる必要があるのです。言い換えると、息子の世代が社会人になったときに、今よりも暮らしやすくなっている事・・。そんなことが目標になりました。

この2つは、別々に感じた事なのですが、私は徐々にこの2つが共通の目標に繋がることが分かって来ました。

どう繋がるか・・は少し後にして、まずは、「2つの社会」があることで起きている、不都合な事について書いてみたいと思います。
(2回目の記事を書いた時点では違う事を書こうと思ったんですが、まあ、その辺はお許しを・・)

ちなみに、不都合な事は、私が考えるに、大きく分けて3つあります。

人材に関する事、ビジネスの発展に関する事、そして、格差です。

今日はまず、人材に関する事・・「人材育成」について書きます。

2つの社会となっていることで起きている現象:人材育成編

「人材育成」という言葉を聞くと、企業で提供される教育プログラムのようなものを連想しますよね。
私もまさにそのジャンルの中に居ます。

そして、こんな言葉をよく聞きます。

「スタッフは、言った事はちゃんとしてくれるんだけれども、1つ1つ指示しないとできないんだよ」

「本人は、十分やっているように感じているみたいだけど、外から見ると全然足りてないんですよね」

「どうも若い人たちがみんな自信がないみたいに感じるんです。」

「協力し合う関係が無いんです。コミュニケーションも苦手なように感じます。」

もし、若いスタッフの方々にこれらの事柄が伺えると感じるなら、それは何が原因なのでしょうか?
突然が社会人になってガラリと人が変わる訳がありませんから、その前に何かしらの原因がありそうですよね。

そう考えると、こんな言葉もよく聞かれます。

「学校教育が・・」

「最近の親は・・」

「子どもの遊び方や生活習慣が・・」

子育ての場、学校・・に問題があるのでしょうか?
確かに、今、学校も子育ての場も、いろいろな問題があると思います。

そして、それは今に始まった事ではありませんね。
なかなか問題が解決しないのは何故なのでしょう?

それは、大きく分けると次の2つによるものの様に感じます。

(1)子ども、あるいは若い人が育つ環境がどのように変化してきていることがビジネス側に伝わっていない。
(2)子ども、あるいは若い人が育つ環境がビジネスのニーズについて来ていない。

(1)に関しては、客観的な数値データで見てみるべきだと思い、いくつか検索してみました。

2012年6月4日にシチズンホールディングスが「親子のふれあい時間調査」というのを発表しています。
http://www.citizen.co.jp/research/time/20120604/index.html

こちらの調査によると、小学生の子どもを持つ共働き夫婦は、5年前と比較すると、子どもと一緒に過ごす時間は平均19分減少しているが、会話する時間は平均6~7分増えているとしています。

このデータで気になったのは、「平均値」で見ている事です。

確かに平均してしまうと、過ごす時間は減っていて、会話する時間が増えていますが、ばらつきはどのようになっているのでしょう?

もう少し詳細なデータを探してみたのですが、見つかったのは、少し前のデータでした。偶然にも、シチズンが5年前と比較しているので、ちょどそのあたりになる2006年のこちらのデータを見てください。

Benesse 教育研究開発センター「調査データクリップ!子どもと教育」
http://benesse.jp/berd/data/dataclip/clip0005/index2.html

こちらの

【2-4】親子の接触時間は減少傾向、父親の23%はほとんど接触なし

を見てください。

(ちなみに、元データは、こちらだと思われます:
「家庭,地域の変容と子どもへの影響」(内閣府、『子ども・若者白書(旧青少年白書)』)
http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h20gaiyouhtml/html/gtoku.html

平日に子どもと接触がほとんどない父親が23.3%です。30分以下の割合を合計すると59.9%。つまり、4人に1人のお父さんは、顔を見るのもまれ、半数のお父さんは30分以下の接触時間です。帰って来て、30分。会話をするというほどできないですね。

お母さんは1時間〜2時間の接触がある人が多いですが(約50%)、女性は家庭内に居ると家事などいろいろな仕事があります。子どもとじっくり向き合っている時間がこの中にどのくらいあるか・・と考えると、お父さんとあまり変わらないのではないかと思います。

この状態から、「平均して6~7分増えた」という結果が何か良い意味があるのか、私は疑問を感じます。

更に、2006年のこのデータで対象となっているのは、9歳から14歳の子どもを持つ親です。
思春期の難しいタイミングに入って来ていると同時に、子どもの自律に大切な時期でもあります。

限られた時間の中で親との会話はどんな内容になるでしょう?

その状況を踏まえた上で、考えてみたい事があります。

今の日本の学校や社会の中には、「管理者責任」を強く問う傾向があるように感じます。もちろん親は子どもの管理監督をする義務があるのは当然のこと。その点から逃げてはいけませんが、これほどまでに親が子どもと関わる時間が限られている中で、世の中から発せられるメッセージが、「お母さん、ちゃんとしてください。」だとしたら、それ自体はあまり良い影響を及ぼさないように思います。

時間がない。
管理者責任を世間や学校から問われる。

当然、親は、子どもを厳しく管理する傾向になってしまいます。

その結果、子どもは、指示に従う傾向が強くなります。
意見を持つより、大人の言う事にちゃんと従う方が良い子なのですから。

自分で考えて決める、そして行動することに慣れていない子ども達は、何をするのも「誰かの正解」を求めるようになります。「自信がない若い人が増えているようだ」というのは、こういった所にも一因があるように私は感じています。

自信を持って行動するというのは、自分で考えて、自分で決心し、行動しても良いという許しを自分自身に出せることと強い相関関係にあるからです。

上述(2)のビジネスニーズは、こういった状況の真反対にあります。
でも、今、子ども達、若い人達が育つ場には、好ましい環境を作りにくい状況があるのは、上述のデータの通りです。
そして、その好ましい環境を作りにくい理由は(1)があるからです。

仕事で帰りが遅くなる。

たったそれだけ(と言っていいのかどうか分かりませんが)の事ですが、その余波が巡り巡って、大切な人材を台無しにしているとも言えます。

どうすべきでしょうか?
1つの社会にするために、今何をすべきか。私は私なりの答えが出て来ました。でも、その内容はもう少し後に取っておいて、皆さんご自身の答えも考えてみていただきたいな・・と思います。

次回は、2つの社会が生み出す不都合なこと(2)を書きたいと思います。

(つづく・・)


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